地域にとってのインバウンドの意義

人口減少や高齢化の進展に直面している各地域にとって、地域外から訪れる旅行者による消費は、地域経済の活性化にとって重要であるとされ、また、旅行者と住民の交流によって地域が元気になっていくということも大切な効果として捉えられているのではないでしょうか。工場の誘致等による産業振興は、生産年齢人口に該当する住民が中心とされていますが、観光を通じて行う産業は、その地域の生活文化を担ってきたと言える高齢者にも活躍の場があると言えるのではないでしょうか。 近年の家計調査によると、定住人口1人分の年間消費額は、外国人旅行者8人分の旅行支出額に相当するとされています。居住者と一時滞在者の消費は内容が異なり、外国人旅行者の大半は、一箇所に長く滞在するわけではないことから、両者を単純には比較できないことは否めません。しかし、観光振興によって地域外からの消費を獲得することが地域の活性化に重要であるということは理解できると言えるのではないでしょうか。外国人旅行者が増えるということは、その人たちを自分たちの地域に積極的に誘致しようと取り組んでいる地域にとっては、これまでの観光振興の方法を転換させるということに貢献していると言えるのではないでしょうか。日本人の国内旅行マーケットは、都市部の旅行事業者が団体客をまとめて各地域に送客し、地域は受入れのみを担当し、顧客の開拓や、商品企画等を事業者任せにしてきた時期が長く続いてきたとされることから、外国人旅行者という新しい需要に対応していくための組織を立ち上げる地域も出てきたようです。こういった組織が各地で整備され、機能することによ理、地域が主体的に観光振興に取り組んでいく司令塔となることが期待されているのではないでしょうか。