マニアック化する中国人旅行客

今の話のOLは富裕層ではなく中間層ですが、私の目から見ると成熟層だと言えると思われます。中国の有名大学を卒業し、中堅規模の外資系企業に勤務し、これまでに何度も海外旅行に出かけているようです。日本にも大学時代の友人が住んでいて、彼らとのネットワークからさまざまな情報を得ています。日本文化への造詣が深いようです。このOL の月収は1万5000元(約25万5000円)です。これ以外にもボーナスがあり、家族と一緒に住んでもいるので、経済的にも余裕があるのです。私の取材経験から、このような中国人は日本人が想像しているよりもずっと多いと思われます。特徴的なのは、彼らが年々マニアック化、オタク化しているという点なのです。私の友人で、上海在住の男性(39歳)は、大学教授です。彼は仕事の関係で16年9月から17年9月まで京都に滞在していました。その間、京都を拠点にやや長めの旅行(3泊以上)だけで、なんと19回も出かけたようです。その旅の一部をご紹介します。まず来日してから1年間に旅行した先(住まいがある京都を除く)で、彼がとくに印象深かったところを列挙してみましょう。大阪、東京、神戸、六甲・美山(兵庫)、志摩・串本・伊勢・加太(和歌山・三重)、長浜・琵琶湖・近江八幡(滋賀)、茅ケ崎・大船・湘南(神奈川、清水・土肥・沼津・河津(静岡)、鳥取、倉敷(岡山)、一畑(島根)、高岡・雨晴海岸(富山)、白川郷(岐阜)、金沢・能登半島(石川)、宮島(広島)、下関(山口)、札幌・屈斜路・旭川・稚内・富良野・帯広(北海道)、青森、山形、熊本、白馬(長野)、長崎…。彼は全国すべての都道府県を旅行して歩いたそうです。中でもいくつか印象深い旅行を私に語ってくれたのです。

訪日ビザが取得しやすくなった

私の分析では15年の時点で、訪日中国人観光客は主に次の3つに分類できると思います。

①日本大好きな日本オタクでリピーターになっている人②日本のことをよく知らない初来日の人③従来は欧米に出かけていた富裕層で、訪日経験が浅い人、です。①と③は個人旅行客、②は団体旅行客が中心でしたが、団体と個人の比率が逆転し、①と③が増える傾向にあるようです。つまり、日本大好きなオタク、そして、以前はとくに日本に関心がなかった富裕層です。③は日本観光のビザが緩和されたことなどから、日本への興味が湧くようになり、日本旅行をするようになったのです。インバウンド・観光関係者が狙うのも、この①と③だと思われます。②ももちろん、これから成熟していき、①に変化していく可能性が高いと言えます。③の中にもリピーターが増えています。ここで少しだけ訪日中国人のビザ(査証)について説明しておきましょう。

日本人は海外に出かける際、ほとんどの国でビザが必要ありません。それは、それだけ日本のパスポートは世界的に信頼性が高いためです。そのために、ビザの存在について無頓着な人が多いと思われます。ビザは海外に出かける際に必要な証書、身元審査のようなものです。中国人だけではありませんが、海外旅行に行くのに「ビザを取得すること」は必須の手続きと言えます。中国人の観光ビザは主に団体観光と個人観光の2つに分けられます。団体観光は添乗員が付くツアーで、決められたコースを団体で移動するものです。個人観光は少し細分化されています。①一次ビザ②沖縄県数次ビザ・東北六県数次ビザ③十分な経済力を有する者用の数次ビザ、の3つです。以前は①と②しかありませんでした。

自社の情報発信には、ウェブサイトとSNSどっちがいいの?

SNSにも様々な種類があります。
そしてどのSNSが人気かというのは、国や地域や年齢層などによって異なってきます。
ターゲットとなる国や地域の外国人の方々はどのSNSを使って情報収集をする方が多いのかということや、自分達の店や企業の業種や営業状況などに合うSNSかどうかをふまえつつ、どのSNSを運用していくかを決定するようにしましょう。
注意したいのは、日本ほど自由にインターネットを閲覧できない国や地域もあるということです。
例えば中国の場合、外国のSNSやウェブサイトの中には中国国内からは閲覧不可となっているものも少なくありません。


どのSNSを使うか決定したら、SNSの運用の方向性を考えていきましょう。
インバウンドビジネスを行っている同業者のアカウントを参考にするのもよいかもしれません。
成功している企業には、SNSの運用方法が上手であるところも数多くなっているように思います。
SNS運用の方向性を決める上で考えたいのは、『アカウントを運用するのは誰か』、『発信する情報の種類』、『いつ発信するか』、『使用する言語』などでしょう。

特にアカウントを運用するにあたり運用担当者の決定は重要となってきます。
小さな個人経営店などであればオーナー自らが運用することとなることが多いでしょうが、大きめの企業などの場合は誰か運用の担当者を決めることとなる可能性が高いでしょう。
店や企業のSNSアカウントで情報を発信すると、その発信を個人の担当者が行っていても、店や企業自身の発言・発信と取られることとなります。
そのため、不適切な発言を行えば炎上し問題に発展する可能性も高くなります。
決まり切った機械的な定型文のみの発信を行う場合でもない限り、ターゲットの気持ちや考えをふまえて臨機応変に情報を発信できる方に運用担当を任せるのがよいでしょう。
また他のユーザーから問い合わせがあった場合、運用担当者自身が対応するのか、他の方へ任せるのかなども決めておいたほうがよいかもしれません。

 

 

地域にとってのインバウンドの意義

人口減少や高齢化の進展に直面している各地域にとって、地域外から訪れる旅行者による消費は、地域経済の活性化にとって重要であるとされ、また、旅行者と住民の交流によって地域が元気になっていくということも大切な効果として捉えられているのではないでしょうか。工場の誘致等による産業振興は、生産年齢人口に該当する住民が中心とされていますが、観光を通じて行う産業は、その地域の生活文化を担ってきたと言える高齢者にも活躍の場があると言えるのではないでしょうか。 近年の家計調査によると、定住人口1人分の年間消費額は、外国人旅行者8人分の旅行支出額に相当するとされています。居住者と一時滞在者の消費は内容が異なり、外国人旅行者の大半は、一箇所に長く滞在するわけではないことから、両者を単純には比較できないことは否めません。しかし、観光振興によって地域外からの消費を獲得することが地域の活性化に重要であるということは理解できると言えるのではないでしょうか。外国人旅行者が増えるということは、その人たちを自分たちの地域に積極的に誘致しようと取り組んでいる地域にとっては、これまでの観光振興の方法を転換させるということに貢献していると言えるのではないでしょうか。日本人の国内旅行マーケットは、都市部の旅行事業者が団体客をまとめて各地域に送客し、地域は受入れのみを担当し、顧客の開拓や、商品企画等を事業者任せにしてきた時期が長く続いてきたとされることから、外国人旅行者という新しい需要に対応していくための組織を立ち上げる地域も出てきたようです。こういった組織が各地で整備され、機能することによ理、地域が主体的に観光振興に取り組んでいく司令塔となることが期待されているのではないでしょうか。