都市部から地方へ

リピーターは地方を訪れてくれますが、観光立国に向けて歩み始めた現段階では、訪日観光客の訪れ先が東京に集中しています。受け皿をどう拡大させるかは喫緊の課題です。東京のような大都市圏では、宿泊施設やレジャー施設のキャパが逼迫しています。ホテルの稼働率も非常に高く、宿泊単価も頭打ちになっていません。地方の問題は東京の問題でもあり、東京の問題は地方の問題でもあるのです。観光振興においては、地域の平準化が非常に重要です。

このような状況に鑑みて、国は外国人観光客を地方に誘導しようと、あらゆる方策を練っています。実際、観光庁予算の中には「地方創生のための観光地域づくり」をテーマとした対策費が計上されています。ところがすぐには効果が無く、依然として外国人観光客の訪問先は東京、大阪等の大都市圏に集中しています。東北や四国などは日本文化の真髄を伝えてくれる、魅力あふれる地域ですが、現実は厳しいものがあります。若干伸びているように見られるデータも存在しますが、訪日観光客数そのものが増えているためであり、訪問地として地方を選択する外国人は依然少数派であるとの認識を改めるべきではありません。

空港の受け入れ体制を整えることは、観光客数全体を押し上げ、ひいては地方への移動を促すため、重要な施策です。例えば訪日外国人が増えているにもかかわらず、空港の体制がそのままであれば、入国審査の時間が長引いてしまい、旅行客の不満が高まります。近年、成田空港や関西国際空港では、迅速な入国手続きを実現しようと、国際会議関係者や国際ビジネスマンを対象とした専用の入国審査レーン(ファーストレーン)を設置しました。